ノーウェアボーイ


 

歌ってなんかいなかった。

愛を叫んでいたんだ!

 

ジョン・レノンがビートルズとして成功する直前までを描いた

青春映画「NOWHERE BOY」(邦題:ひとりぼっちのあいつ)。

昨年11月に封切りになった時、気にはなっていたが見逃していた。

先日渋谷で息子とオムレツランチした時に、この映画のことを

一生懸命語っていたので、ほほ〜と思い、昨日DVDを借りて観た。

 

きましたね。忘れていた何かが。若い時に置き忘れてきたものが。

 

実の母と育ての母の愛の間で思い悩むという、ジョンらしい女々しい話しで、

お決まりで不良になり、停学を喰らうというどこにでもある展開。

 

しかし、人生の転機はある日ふらっと訪れる。

訳あって伯母ミミに育てられたジョンが、

ある日、奔放な実の母ジュリアに出会ってしまうのだ。

ジュリアは停学を喰らって転がり込んできたジョンに、バンジョーの弾き方を教える。

ほぼこれで”ビートルズのジョン・レノン”のルーツが生まれたのである。

 

幼少時の体験(ジョンの場合二人の母親と失踪した見たこともない父親)が

その後の人格形成に決定的な影響を及ぼすことに、愕然としてしまう。

しかしジョンは、マイナスをプラスにしてしまう。

(・・・あんまりネタバラしをするといけないので、映画観てください)

 

私のnowhereの勝手な解釈は、「居場所のない」と云う意味ではないかと思う。

後年ジョンはアルバム「ラバー・ソウル」で「Nowhere Man」という曲を作っている。

 

ミュージシャンとして成功したジョンが、本当に欲しかったもの。

富でも、名声でも、ひょっとしてヨーコでもなく、

本当のmother&fatherだけだったのかもしれない。

 

求めても決して手に入れられない。癒されない、渇き。

それがジョンの音楽の原動力だったとしたら。

 

どこにも自分の居場所がない少年は、

やっぱり大人になっても自分の居場所がどこにもなかったんだ、きっと。

私の居場所も、実は分からない。この年になっても。ハハっ。。。

 

nowhere:どの場所も・・・ない、どことも知れぬ場所、名もない状態、無名