ティッシュ5箱分の個人情報?!
十年近く前だろうか。
自宅の近くにSS(サービスステーション)がオープンして
キャンペーンをやっていたので、早速行ってみた。
セルフだったのでえっちらと給油していたら、
スタッフが「当店のカードをつくりませんか?」と
バインダーにアンケート用紙とボールペンを挟んですり寄ってきた。
紙カードもあるが、クレジット機能のあるカードだと、
ポイントがついたり割引がよかったりするそうだ。
私はすでに他社のカードも持っていたし、
個人情報をSSの店頭でポイントや割引を引き換えに渡すのはいやだと思い、
断った。
スタッフは納得のいかない顔をしてしぶしぶ引き下がったが、
しばらくすると、今度はティッシュを抱えてまたやってきて、
クレジット機能のあるカードをつくると、そのティッシュ5箱をプレゼントするという。
ここで私はカチン!!ときて、
「オレの個人情報はティッシュ5箱分か!ふざんけんなよー!!」
と大声でその怒りをスタッフにぶちまけた。
そのスタッフはびっくりして泣きそうな顔になった。
すぐに店長がすっ飛んできて平謝りに謝ったが、
ぶち切れたまま怒りの収まらない私は、
乱暴に給油ホースをガチャガチャと戻し、
運転席のドアをこれ見よがしにバ~~~ンと締め、
エンジンを思いっ切りバフ~~~~ン!!!と空ぶかしさせて、
そのSSを後にしたのである。
(我ながら大人気ないと思うが:苦笑)
思えば、カード会社に提供する私の個人情報なんてたかが知れているし、
そのSSのスタッフやサービスが気に入れば
カードをつくったかも知れない。
しかし、いくらなんでも初めての客に
個人情報を晒せ、というのは失礼だろう。
しかし、この「失礼なこと」をプラットフォーマー他
多くの企業がやっているのだ。ティッシュ5箱のプレゼントもなしに!
今一度私たちは「自分の個人情報」がどのように扱われているのか、
慎重に見極めた方がいいと思う。
私はアップル信者ではないが、
「アップルTV+」等の新サービスの発表に際して
ティム・クックCEOは
「ユーザーの行動を広告主に教えることはしない」と断じたこは、
個人情報と広告のあり方に対しての「企業としての良心」と評価したい。