私的ドライブミュージック考


ミドルエイジ以上の諸兄は、きっとこんな経験をお持ちだろう。

 

オリジナルのカセットテープを編集して、彼女、もしくは好きな女の子にプレゼントしたり、ドライブデート中に何気にカーステレオ(昔はそう言っていた)に突っ込んで、自分のセンスの良さ(と思っているが、まったくもって一人よがり:笑)をアピールしたり。中には必殺技(反則技かも)でここぞ!という時に「マイ・ユーミン・ベスト」にすかさず取り替えてグイグイ(キモチは)突っ走ってみたり。

 

しかし、大概は撃沈するのですよ。女子って、同じ空間なのに全然別のことを考えていたりするんだから~!!(あくまでも経験上の個人の感想です)

 

ま、これはハッキリと目的がある「ドライブミュージック」の確信犯的な変格活用で、閉ざされたドライブ空間の中で楽曲の力を借りて半ば強引に雰囲気を盛り上げて、なんとか口説きたい!!という下心パンパンミュージックなワケなんですね。

 

つまり「ドライブミュージック」とは、いわゆるロックやジャズ、R&B、ソウルミュージックといったようなカテゴリーではなく、「その日の目的とするドライブに適した音楽」といったセレクトショップ的な括りで、しいていえば「シーン・ミュージック」、とでもいうのでしょうか。

 

<余談①>

「シーン・ミュージック」といえば昔、ブライアン・イーノが「music for airport」や「music for films」といったアンビエント音楽を提唱していた時期がありましたね。もっともそれは特定の用途に供する固定された「静」的な感じがして、ドライブの「動」的なシーンとは違うのでなんですが、思い出したもので。サティも然り(蛇足)。

 

もうひとつ経験上「シーン・ミュージック」ということを認識したのは、クルマを所有し、移動の手段としてハンドルを握るようになってから。自宅で聴いていたお気に入りの音楽がクルマの中で聴くと、なんだかしっくりこないな、なーんて思うようになったこと。逆に今まであまりピンと来なかった音楽が、お!これクルマで聴くといいかも♪とじわじわとドライブミュージック道に踏み込み始めた頃からでしょうか。

 

要はどんなジャンルの音楽でも「ドライブ向き」と「ドライブ向きではない」楽曲がある、ということですね。また、ドライブするシーン、例えば、海辺の道なのか、田園風景の道なのか、ワインディングの山道なのかで、必然ノってくる音楽も違ってくるワケです。そして、朝なのか昼なのか夕方なのか、はたまた天気がいいのか、曇りなのか雨なのか、暑いのか寒いのか、でもチョイスが違うのです。決定的に違うのは、一人なのか、同乗者がいるのか。同乗者がいる場合は、これまた違う意味で選択が難しい。

 

<余談②>

私はレゲエ好きなので年がら年中レゲエは聴きますが、クルマの中で聴くのと家で聴くのは違うし、昼と夜でも好みが違う。クルマの中、つまりドライブ中はラバーズやスカ・ロックステディのコンピ、家に帰って陽が高いうちは昔のダンスホールやダブ、夕方からはビールやハイボールを飲みながらルーツレゲエを中心としたお気に入りのアナログレコード、といった具合。

 

ということで、私にとってドライブミュージックは何か?というと、気分がアゲアゲになるとか、ノリがいいとかだけではなく、もともとの目的+走っている道や風景その時々の気候等、森羅万象によって影響された気分にハマる音楽、ということになるのです。

 

しかしですよ、アレコレ想いを巡らせ、その日にピシャリのドライブミュージックをセレクトするのって、ムチャ想像力を試されますよね。まぁいえば、予習的なエアドライブ、みたいな。だからこそ、ハマった時のニヤニヤ感がまた堪らんのですよ。

 

 いやいや、ドライブミュージック、バンザ~イ♪ ですな。

 

カラオケ