課題解決へ向けて「一緒に考える」から始めています。
私たちが広告主の代表やご担当者と向き合うとき、いつも心がけていることがあります。
それは、最初から「答え」を持って最初の面談に臨まないこと。
今回のブログでは、私たちが現場で大切にしている「伴走のスタンス」についてお話しします。
① 「また同じ提案か」と思われたとき、私たちは何を反省するか
代理店として、これが一番こたえる言葉です。「また同じ提案だな」—ご担当者の方がそう感じたとき、それはほぼ間違いなく、私たちが「課題よりも手持ちのソリューション」を先に考えてしまっていたサインです。
長くこの仕事をしていると、「この業種なら、こういう打ち手が効く」という経験則が積み上がります。それ自体は悪いことではないのですが、気をつけないと、往々にしてお客様の話を聞く前に「答え」を持って会議室に入ってしまうことがあります。私たちは、それを一番避けたいと思っています。
▍現場でよく聞く声
「提案書は毎回きれいにまとまっているんですが、なんか自社向けじゃない感じがして……」
この声は、とても正直なフィードバックだと受け止めています。「きれいな提案書」は出せても、「この会社のための提案書」になっていない——そのズレは、オリエンテーションの際の「理解度」が浅かったことから生まれていることがほとんどです。
だからこそ私たちは、最初のオリエンテーションの場を「依頼を受け取る場」ではなく、「一緒に課題を掘り起こす場」として設計するようにしています。まず聞くことが、私たちの仕事のスタートだと考えています。
「何をつくるか」より先に、 「何が本当に必要なのか」を一緒に考えないといけないのです。
② AIが変えたのは「制作の速さ」だけではなかった
生成AIが普及して以来、私たちの仕事の中身はずいぶん変わりました。コピーの下案を出す速さ、バリエーションを展開するスピード、データを読んで言語化するプロセス——以前より格段に早くなったことは確かです。
ただ、そこで気づいたことがあります。制作が速くなった分、「本当に必要なものを見極める力」の重要性が、かえって増したということです。
▍プロデューサーとして感じること
「AIで10案出すのは簡単になった。でも、どれがこのお客様に本当に合っているかを判断するのは、むしろ難しくなった気がしています。」
AIは、与えられた情報をもとにアウトプットを最適化するのが得意です。でも、「この会社が大事にしている空気感」「この担当者が社内で通しやすいトーン」「このブランドが10年後に向けて作っていきたい文脈」——こうしたことは、会話の中でしか浮かんできません。
私たちがプロデューサーとして一番価値を出せるのは、ここだと考えています。AIでプラン提出が速くなった今だからこそ、「文脈を読む力」「関係性の中で引き出す力」が、私たちの役割の中心になってきました。
ツールが速くなった時代に、 「じっくり聞く」ことが私たちの差別化になっています。
③ 私たちが「最初の面談」を大切にする理由
以前の私たちは「オリエンテーションを受けて、いち早く提案に進んだ方がいい」と思っていた時期がありました。お客様も忙しいし、早く動きたいだろうと。
でも、それは間違いでした。疑問点などを聞き出し、最初の面談に時間をかけた案件ほど、後の修正が少なく、お客様の満足度も高い。現場でそれを何度も経験してから、私たちは「最初の対話」を最も重要なプロセスとして設計するようになりました。
・「何をつくるか」より「なぜつくるか」を一緒に言葉にする
お客様から「ランディングページをつくりたい」とご相談をいただいたとき、私たちがまず聞くのは「なぜそのページが必要なのですか?」という問いです。失礼に聞こえるかもしれませんが、ここに答えていただくことで、私たちの提案の質がまったく変わります。
「手段の依頼」を「目的の共有」に変換すること。これが、私たちが最初の面談でやっていることの本質です。
・「成功の定義」を一緒に言葉にする
もう一つ、必ず確認するのが「どういう状態になったら成功ですか?」という問いです。KPIの数字だけでなく、「こういう反応がお客様から来たら手応えを感じる」「社内でこう評価されたらいいなと思っている」という感覚的な部分も、できるだけ一緒に言語化します。
数字と感覚がそろっていると、プロジェクト進行の途中でブレにくくなります。「なんか違う」という感覚が出てきたときも、立ち返れる基準があると、修正の議論がずっとスムーズになります。
・意思決定者の方に、最初から話してもらえると変わる
ご担当者の方だけでなく、できれば意思決定者の方にも最初の場に出ていただけると、私たちとしてはとても助かります。「たぶん上はこういう方向を考えていると思います」という伝言より、ご本人に「私たちはこういう会社で、こういうことを大事にしています」と直接話していただく方が、私たちの理解の深さが段違いに変わるからです。
それだけで、提案の「解像度」が上がります。
オリエンテーションは、作業の依頼ではなく 「一緒に地図を描く時間」だと思っています。
④ よくいただく質問
ここからは、お問い合わせやご相談の場でよく出る疑問に、できるだけ現場の立場でお答えします。
・「相談したら、すぐ契約を迫られるんじゃないか?」
これは、よく言われることです。私たちは、初回のご相談を「売り込みの場」にするつもりはありません。まずお話を聞いて、私たちが本当にお役に立てるかどうかを、双方で確認する場だと考えています。もしご縁がなければ、それはそれで構わないと思っています。
むしろ「この代理店と組んでよかった」とあとから思っていただけることの方が、私たちには大切なのです。
・「担当者がすぐ替わるのが心配だ」
これは業界全体の課題ですが、弊社はプロデューサーが案件を統括してプロジェクトを進行します。途中で替わることはありません。私たちが取り組んでいるのは、プロジェクトごとに最適のスタッフでタッグを組んで同じチームのまま案件を完了する、ということです。統括プロデューサーが、課題の言語化・共有、進捗の管理、軌道修正、完成度の判断などを適宜行うことで、長く安定して伴走するための基盤につながると考えています。
・「今、別の代理店と動いている」
それは全く問題ありません。「全部弊社に切り替えてください」とお願いするつもりもありません。既存のパートナーが得意としていることは、そのままお任せいただいた方がいい場合も多いです。私たちが補完的に入れる部分があれば、まずそこから一緒に試してみませんか、というスタンスです。
おわりに
私たちが「伴走」という言葉を使う理由
「伴走」という言葉を使うとき、私たちが意識しているのは前を走って引っ張るのではなく、後ろからサポートするのでもなく、隣に並んで課題を解決に導くということです。
ゴールを決めて走るのはお客様ですが、一人で走るより、隣に誰かいる方が、少し遠くまで行けることがあります。道を間違えることも少ないです。私たちはそういう伴走者でありたいと思っています。
もし、代理店との関係で何かモヤモヤしていることがあれば、ぜひ一度ご相談してみてください。
資料などはお持ちいただかなくても大丈夫です。
「なんかうまくいっていない気がする」という感覚だけで、十分です。
そこから、一緒に考え始めましょう。





