仕事の流儀


 

伊集院静という作家は、「たらし」である。

女たらし、人たらし。。。

昔の無頼文士風でもあるし、ギャンブラーでもあるし、

当然モテ男でもある。

モテる秘訣は「させてください」と頼み込むことだというから、相当なものだ(笑)!

 

「たらし」は、言葉はわるいが、ようするに広告の肝なのである。

この”共感ソーシャルメディア”の時代に「たらし」とは何事か、

と宣う筋もいらっしゃるかと思いますが、事実です。

 

この作家は、かつて広告の世界に身を置いて、

CMをつくったり、コンサートや舞台の演出をしたり、

人気歌手の作詞なんかも手がけていた。

 

どうすればその対象をたらし込める(ココロを開かせる)のか。

ある意味その道のプロなのである。

 

この本は、そのプロの手口をいくらかは披露しているのであろう、

そう踏んで購入した。

もちろん、ひと頃ずいぶんハマって読んだ作家なので、

その手口はうすうす承知はしているが、

今回は「流儀」という言葉に反応してしまった。

(「男の流儀」という本もあるが、まだ読んでいない)

 

このところ、仕事のやり方について思い悩むこともあり、

(私だってたまにはナーバスになりますもん)

”くよくよしたってしょうがなかろうもん、できることしかできんちゃけん”と、

開き直りかけたところだったのである。

 

オレの「仕事の流儀」って、なんだろう。

そもそも「流儀」といえるスタイル・やり方を持っているんだろうか、と。

 

本屋でなぜか「伊集院静の流儀」が見に止まり、

”風の中に立ちなさい”という裏表紙のコトバに導かれ、

パラパラとページを捲るうちに、

今の時代の「たらし」足り得るには修行がまだまだ足りんわい、

もう一度じっくり考え直そうと、腹を括りました。

 

まあ、なんとなく、一里先くらいまでは見えてるんだが。

本を読み終える頃には、もう少し見えてくれればと。