ステイクホルダー資本主義


丹羽宇一郎さんの「会社がなくなる!」を再読した。

(私の理解力が足りずなんだかスッキリしなかったので)

日経新聞の記事下の書籍広告で大々的に宣伝されていたので

読まれた方も多いかもしれませんね。

 

自身の企業経営や国際的な仕事をベースに「日本の将来の見取り図」を描き、

これからの日本を背負う若い人への滋味あふれるメッセージが詰まった良本です。

ふむふむなるほど!といろいろ学べる内容満載ですが、

一番合点がいったのは、アメリカが「株主資本主義」から脱却し、

顧客、従業員、サプライヤー(取引先企業)、地域社会、株主の

5つのすべてに「長期的・継続的」に利益をもたらすべきだとする

「ステイクホルダー資本主義」へ大転換を図ろうとしているという動きを知って

驚いたと、という件です。

※ステイクホルダー=企業の利害関係者

 

株主第一資本主義の本家アメリカが、

今の経済システムの矛盾(資本主義を支持しない若者の出現等)を発端に、

軌道修正に動き始めたというわけだ。

その動きはイギリス他にも及び昨年2020年の世界経済フォーラム(ダボス会議)の

年次総会でのキーワードはなんと「ステイクホルダー資本主義」だったと!

会社は株主の持ち物ではなく「法人」の持ち物なので、

「法人」の一部である「株」を持っているだけで、

株主だからといって何をやってもいいというわけではない。

(株の売買は出来るけど)

 

日本でも2000年前後このアメリカ発の

「株主第一事本主義」(新自由主義)にかぶれて追随する企業が続出したけどね。

で、これ「ステイクホルダー資本主義」って日本では当たり前ではないのかい?

古くから「買い手・売り手・世間の三方よし」という

近江商人の経営哲学が根付いているし、自分たちの利益だけを追求するのではなく、

お客様に満足してもらうと同時に社会へ貢献しなければならない、

という「信用・信頼」を軸足とした経営が

数多くの企業で実践されてきたではないか。

もちろんそうでない企業は淘汰されたが。

 

「ステイクホルダー資本主義」という経営概念は

日本企業の得意とするところであったはずだ。

日本企業はもっと自信を持った方がいいですね。

 

(本題はココから)そこで、

日本版ステイクホルダー経営を目指した本があったなぁと思い出し、

松原照明さんの「浸透する経営理念」を

事務所の書棚から久しぶりに引っ張り出して読み始めた、というわけです。続く。。

 

◎丹羽宇一郎さんの略歴

伊藤忠商事の会長・社長、日本郵政株式会社取締役などを歴任の後、

2010年6月から2012年12月まで中華人民共和国駐箚特命全権大使を務め、

同月から早稲田大学特命教授。 日中友好協会会長。

グローバルビジネス学会会長(2021年7月まで)。

※Wikipediaより引用